シロダーラによる瞑想

ミランダ・カーやスティーブ・ジョブズも取り入れていることで話題になった瞑想。調査によると今や世界の5億人が実践しています。瞑想は1分間でも十分効果があります。少しずつ日々の生活に取り入れてみてはどうでしょうか。自分の脳を休ませて、1日をスッキリとした状態で過ごせるようになるでしょう。

瞑想とは

瞑想は、目をつむり、姿勢を正し、呼吸を整え、集中して行います。続けて実践することで、リラックス効果や心の整理ができると言われています。無理なく日々のパフォーマンスを向上させるため、数々の著名人も日々の生活に取りれています。

脳をリラックスさせて自分の内側と向き合うため

毎日の生活で、脳は絶えず働いています。たくさん歩いたら脚を休ませてあげるように、脳にも休憩をさせてあげましょう。瞑想は「脳をリラックスさせて、自分の内側と向き合うため」に行います。

脳を休ませていると、 無意識に浮かんでくる思考があります。「明日の洋服は何を着よう」「週末の約束は何時だっけ」など。そういった雑念とゆっくり向き合うことで、今の自分に必要な思いや考えが分かってくると言われています。 瞑想を極めると、雑念が一切ない無の状態になれるそうです。初めから無の状態を目指すのではなく、自分のできる範囲で瞑想を取り入れてみましょう。 思考が整理されます。

近年では、数々の一流企業や行政機関も瞑想を日々の仕事に取り入れています。Googleやゴールドマン・サックス、アメリカの国防総省(ペンタゴン)などが、瞑想を実践しています。Googleは、瞑想に関する書籍も販売しているほど。

瞑想のメリット

瞑想で得られるメリットは、数多くの研究機関により発表されています。呼吸を整え、リラックス状態を作ることで、さらなる効果が生まれます。その中でも代表的な3つのメリットを詳しく解説していきます。

ストレスが軽減される

瞑想中は、脳からα波が出るようになります。α波は脳波の一種で、自律神経が整いストレス軽減に役立つと言われています。京都大学准教授の野村理朗(のむらみちお)氏は下記のように述べています。

一般的なリラックスと瞑想は違う。リラックスしていれば脳の疲れが取れるわけではない。むしろ瞑想によってDMNの過剰なアイドリングを鎮めていくことが重要。瞑想は緊張でもリラックスでもない、第三の心的状態なんです

出典|脳科学の最前線を行く—飛躍的に進む瞑想研究

DMNとは、デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)のこと。脳の神経活動の一種です。活発な脳の神経活動を抑える効果が、瞑想にはあるようです。

集中力アップが期待できる

ジョンズ・ホプキンズ大学のKatherine Maclean教授をはじめとした13人の研究者らによって、 瞑想には集中力を高める効果が見られることが分かりました。2010年に発表された論文によると、60人を対象に瞑想と集中力に関する実験を行いました。その結果、「瞑想を行うことで、集中力が高まる。瞑想を行った実験対象者は、用意したつまらない実験にも集中して取り組むことができた」とのこと。

大事なプレゼンテーションや商談に合わせて、瞑想で集中力をあげておくと良いかもしれません。

ポジティブシンキングになれる

瞑想によって脳がリラックスした状態になると、自分の考え方にも良い影響があります。

メリーランド大学のKevin W.Chen教授らは2,466人を対象に調査を行いました。さまざまな瞑想を被験者に試してもらった結果、瞑想後は不安のレベルが下がったそうです。不安が減ると、自分の思考をネガティブに持っていく要素が減ってくれたということですね。

また別の調査でも、瞑想を行った結果、ポジティブ思考や楽観の方向にいい結果が出たとしています。瞑想で、ネガティブマインドを減らし、ポジティブマインドを増やすことができます。続けると、精神状態が安定するのではと考えられます。

1分間瞑想のやり方

瞑想というと、「時間を十分に取ってゆっくりと行う」というイメージがありませんか? 実は、たった1分間でできる瞑想もあります。1分でいいなら、朝起きた直後、電車、お昼休憩などどこでもできますね。自分の好きなタイミングでトライして、生活に馴染ませてみてはどうでしょうか。

1分間瞑想の呼吸法

1分間瞑想は、丁寧な呼吸を心掛けます。1分間をたっぷり使うことを意識しましょう。 まずは、息を4秒間でゆっくりと吸いこみます。4秒で吸ったあと、8〜16秒間かけてゆっくりと息を吐きます。1分間だと、3〜5回繰り返すことができます。では、試しに1分間でやってみましょう!

どうでしたか?

初めのうちは、16秒間も息を吐き続けることができない人が多いと思います。(私は5秒吐いて息がなくなりました。)吸った息を、少しずつ少しずつ外に逃してあげるようなイメージで、長く吐くことを意識してみてください。

マインドフルネス瞑想

マインドフルネス瞑想は、瞑想の種類のひとつです。そもそもマインドフルネスとは何のことでしょうか。日本マインドフル・リーダーシップ協会は、以下のように述べています。

今という瞬間、瞬間への、一切の評価、判断を挟まない、気づきの状態(アウェアネス)

出典|マインドフルネス瞑想とは 一般社団法人 日本マインドフル・リーダーシップ協会

「今」に重きを置く瞑想を、マインドフルネス瞑想といいます。今、自分が何を考えているのか。今、自分はどうしてこう思ったのか。自分のありのままの状態に気づくことで、心を整えます。

マインドフルネス瞑想のやり方 調身・調息・調心

マインドフルネス瞑想は、一般的に20〜30分間かけて行う方法が良いとされています。しかし、慣れるまでは10分程度で大丈夫。3つのマインドフルネスの瞑想ポイントを紹介します。

調身

あぐらをかくような形で座り、坐骨で座ることを意識します。背骨がまっすぐになるよう、首や頭がスッと伸びることを感じて、適度に顎を引きます。

調息

身体の隅々にまで息を巡らせるイメージを持ちます。複式呼吸で息をします。ゆっくりと息を吸いながらお腹を膨らませ、ゆっくりと息を吐きながら徐々にお腹を凹ませていきます。

調心

心を整えます。呼吸の吸う、吐く、に集中します。呼吸のリズムに合わせて数を数えるといいかもしれません。

マントラを唱えて瞑想

自分で好きな言葉を決めてゆっくりと唱える瞑想もあります。どんな言葉でも、自分が瞑想しやすい言葉で良いため、「ギョ、ウ、ザ」と唱えても問題ありません。とはいえ、ギョウザギョウザ……と唱えていると頭の中が餃子でいっぱいになってしまうので要注意。

マントラとは

マントラは、瞑想中に唱える言葉です。語源は、サンスクリット語(インドや東南アジアの古代語)です。マントラとはサンスクリット語で、以下のような意味を持っています。

a thought, thought behind speech or action

出典|Mantra Oxford living Dictionary

「言葉や行動の裏にある思い、考え」ということですね。自分の内なる声、と考えると、自分の今の状態を確かめる瞑想に使えるのも納得です。

マントラを唱えながら瞑想をするメリット

瞑想で使用するマントラは一つの言葉で、それを繰り返し唱えます。雑念が頭の中を巡っている場合に効果的です。マントラを唱えることで、雑念よりも唱えることに意識を働かせます。そのため、瞑想に集中することができるというわけです。瞑想にどっぷりと浸かりたい方は、マントラをぜひ実践してみてください。

自宅で寝る前にできる瞑想

日中は仕事もしているし、打ち合わせも多いし、なかなか時間が取れないという人もいるでしょう。そんな方のために、自宅で寝る前の5分間でできる瞑想を紹介します。寝る前の瞑想は身体にいい効果を及ぼすと言われています。一日の疲れをとり、穏やかな心で眠りにつければ、きっと翌日もすっきり。

寝る前にやると嬉しい効果

UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)と、南カリフォルニア大学の教授たちが、瞑想と睡眠に関する論文を発表しています。 実験では、睡眠障害をもつ高齢者にマンドフルネス瞑想を取り入れてもらいました。その結果、睡眠障害の症状が緩和されたとしています。

睡眠に入りそうなとき、人間の脳にはα波出ている言われています。瞑想によって、α波が出るようになったことが、睡眠障害緩和という結果に繋がったのではないでしょうか。一日の約3分の1の時間は睡眠に充てられています。日々の睡眠が改善されると、暮らしの質も大きく向上できそうです。

寝る前の瞑想のやり方

寝る前の瞑想は、ベッドに入ったままできるといいですよね。私がホットヨガに通って身につけた「シャバーサナ」を紹介します。ホットヨガは、多いときは週4日ほど通っていました。シャバーサナとは、ヨガにも取り入れられている瞑想の一種です。

まずは、部屋の照明を暗くしてみてください。暗くすることで落ち着いた空間の中で瞑想ができます。照明を落としたら、ベッドで仰向きに寝転がり、全身の力を抜きます。余分な力を感じたくないので、枕や掛け布団は退けておくといいと思います。

そのまま、呼吸をゆっくりと行います。呼吸に合わせて腹部を上下させる、腹式呼吸を意識します。5分ほど呼吸を続けます。5分ほど経ったらゆっくりと目を開けます。これで終了です。簡単にできるので、今夜から実践できるはず!

初心者が正しい瞑想をするためのコツ4つ

瞑想のメリットや、さまざまなやり方を読んで、瞑想にチャレンジしたいと思ってきた方も多いのではないでしょうか。いざ見よう見まねでやってみたものの、正しくできているのかが分かりづらいですよね。そこで初心者のために、瞑想を正しく実践するコツを、4つご紹介します。瞑想はあくまで自分のため。正しい、正しくないを気にしすぎず、自分が心地よいと思う方法を続けることをオススメします。

環境を整える

瞑想を行う際の、周りの環境を整えましょう。自宅で行うならば、部屋をいつもより片付けてみましょう。呼吸の途中に、「埃っぽいな」と感じなくてすみます。目をつむって行う瞑想ですが、目をつむっていても人や物の気配を感じてしまうのが人間です。周囲が人や物で溢れていない、すっきりとした空間を作りましょう。

また、服装も大切なポイントです。身体を締め付ける服装はなるべく避け、ゆったりとした服装を選ぶと良いです。

姿勢を正す

姿勢で気をつけるべき点がいくつかあります。

  • 目をつむる
  • 手のひらを上に向ける
  • 坐骨で座り、背筋を伸ばす

まずは、目を瞑ること。目を開けていると、どうしても脳に送る情報量が多くなってしまいます。優しく瞼を閉じましょう。

次に、手のひらを上に向けた状態にすること。手のひらを解放していると、その人自身も解放的になると言われています。

最後に、坐骨で座り背筋を伸ばすこと。一度あぐらで座り、お尻のお肉を「よいしょ、よいしょ」と後ろにずらしてみてください。骨盤が自然と起き上がった姿勢になります。猫背の人は、頭の上が引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばしましょう。背筋が伸びていると、呼吸の巡りも良くなります。

無理に雑念を払わない

瞑想中に雑念が湧いてしまうのは、仕方ありません。無理にかき消さず、そのまま流して置いてみては。「雑念がどうしても邪魔だ! 」という人には、おすすめの方法があります。目を瞑って、頭の中にロウソクの火を思い浮かべてください。その火がゆらゆらと灯っている様子を頭の中で見つめていると、いつのまにか雑念がなくなるでしょう。

音楽アプリや動画を活用

瞑想中、スローテンポな音楽が流れていると、リラックス効果を高めてくれる場合があります。YouTubeで「Meditation music」と検索 すると、バリのマッサージ屋さんで聴こえてきそうな音楽がヒットします。小さなボリュームで、雰囲気を演出すると瞑想がやりやすくなるのではないでしょうか。

また、同じくYouTubeで、「Meditation tutorial」と検索することもおすすめです。日本や海外の瞑想に詳しい人が、解説動画をアップロードしています。動画の多くは、声でガイダンスをしてくれているので、動画を再生しながら実践することができます。「一つ一つの流れを覚える自信がない……」という方は、動画と一緒にどうぞ。

瞑想は、ストレス軽減・集中力アップ・ポジティブ思考に役立ちます。簡単にできる、1分間瞑想や寝る前にできる瞑想を紹介しました。少しずつ日々の中に取り入れていくことで、安定したマインドで日々を過ごせるのではないでしょうか。短時間の瞑想に慣れてきたら、30分間のマインドフル瞑想にチャレンジしてみてください。

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